モロッコ雑貨

部屋を彩るモロッコのラグ

モロッコといえばラグ

世界のインテリアをリードするアイテムです。トルコやイラン、アジアのラグとは異なり、幾何学模様や鮮やかな色使い、そして手仕事ならではの温かみが魅力。モダンな空間にもエスニックな空間にも自然に馴染み、アクセントとしても主役としても活躍します。

よくあるスーク(市場)の風景

1. 産地について

モロッコ全土でラグは織られますが、主にアトラス山脈周辺の自然ゆたかな地域で織られています。町ごとに模様や織り方が異なり、地域ごとの個性が強いのが特徴。そのため、ラグは織った町の名前で呼ばれることが多いです。

2. デザインと模様

ベルベルの模様が織り込まれており、地域や風土との強いつながり、織った女性のクリエイティブの感性や表現として、一枚一枚違う面白さがあります。

  1. 幾何学模様、ジグザグ、ダイヤ柄などの抽象的なデザインが多い。
  2. 繁栄・守護・豊穣などのシンボルを表す伝統的な模様も多い。
  3. モダンな空間にも合う、シンプルで洗練されたデザイン。
  4. 手仕事ならではのアートピース的存在感がある。

日常生活でも、ヘナタトゥーのデザインなどに見られる幾何学模様は、モロッコ文化に根付いています。

お洒落なインテリアショップ

3. 主な種類

Beni Ourain(ベニワレン)
厚手でふわふわ。上質なウールを使う。白地に黒の幾何学線が日本では有名ですが、モロッコでは蛍光色を織り込むようなアート要素が強いものもあります。

Azilal(アジラル)
抽象的な図案が多く、蛍光色を差し色につかう自由さ。パステルトーンや鈍いトーンを使うことも。

Zemmour(ゼンモール)
暗い赤をベースに白や黒を基調とした細かい柄を織り込む。

Boucherouite(ボシャラウィット)
古布や衣類の端切れを使って手作りされる、自由でポップなカラフルラグ。リビングや玄関のほか、荷車や馬・ロバの背中にかけたりと、生活に根付いた存在です。

AKHNIF(アフニフ)
平織りのキリム。薄く軽く、幾何学模様が織り込まれる。素朴な風合いながらも複雑な表情が魅力。

田舎のラグ(平織のバッタニーア)

4. 素材と手触り

主にウール(羊毛)を使用
柔らかく暖かみがあり、保温性にも優れます。ウールの性質も地域や羊により異なり、紡ぎ方やノットの密度など、織る人の個性が表れます。

布や化繊の毛糸などのミックス
ボシャラウィットラグのように、使わなくなった衣類を再利用したり、コットンや化繊をメインに使うものもあります。ウールをベースにしながら自由に糸を変えて織ることで、複雑で奥行きのある表情が生まれます。

5. 染色

天然染料
ザクロなどの植物や鉱物を使用し、自然な色合いが魅力。現在は少数派です。

化学染料
現在は多くのラグが化学染料で染められています。洗い不足だと色落ちする場合も。

どちらの染色も、田舎で手紡ぎした毛糸を大鍋で煮て染め上げます。マラケシュのメディナにも染色地区があり、大量の毛糸が鮮やかに染められています。

6. スタイル

モロッコラグは北欧インテリアやミニマルデザインとも好相性。壁掛け、ベッドサイド、リビングのアクセントなど、多用途に使えます。

ヨーロッパテイストのコーディネート

7. まとめ

モロッコのラグは、「手仕事 × 伝統 × アート」が融合したアイテムです。街中や家の中など、日常的にも幾何学模様のデザインがあふれています。

ヘナタトゥーをデザインするときのように、直感とバランス感覚を大切にしながら、織り手たちは自由に創造を楽しんでいます。使えば使うほど風合いが増し、空間を温かく個性的に彩ってくれる一枚です。